ぼっちカメラ手記

カメラや写真に関する色々を綴ります

page. 6 【レンズレビュー】Mir-47 20mm f/2.5

 

K, Takuです。

 

 訳あって歪曲収差の見えるレンズが必要で、いろいろ探した結果たどり着きました。
ロシアのレンズ、Mir-47 20mm f/2.5です。

 久しぶりのオールドレンズです。購入したからには素性の調査をば。

※なお、内部のクリーニング等は個人として一切行っていません。当記事で行ったテストは、このレンズ個体固有の特徴を調べる目的で行っています。同一名称のレンズすべてに当てはまる内容とは限りませんのでご注意願います。

 

 

◆ステータス◆ 

Mir-47 20mm f/2.5

【メーカー】ロシア (メーカー・・・?)

【レンズ区分】単焦点

焦点距離】20 mm

F値】2.5-22

【絞り羽枚数】6枚

 ☞ヒトコト☞ 巷で噂のロシアレンズです。どうやら海外では人気で値段が高騰しているとかしていないとか。私が購入したときは約30,000円でした。作られたのは1997年頃ということで、約20年前のレンズになります。

 

 

◆外観◆ 

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☞ヒトコト☞ ずんぐり出目金レンズ!

 

◆チャート撮影◆

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☞ヒトコト☞ 開放では周辺光量落ちと収差が酷く、中央にしかピントが来ていません。後述しますが、像面湾曲、コマ収差・非点収差・

が結構強烈にある様子です。また、絞り値に関係なく歪曲が出ています。そもそも歪曲のあるレンズが欲しかったので自分としてはこれで良し。中心付近の描写としては、開放から一段絞るだけで一気に抜けが良くなる印象。F5.6、F8で最もパリッとしていて、F11以降は回折限界かな?また少し眠たくなっています。なお、載せていませんが周辺の解像は絞るほど良くなっていきました。

 

 

◆逆光性能◆

 

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☞ヒトコト☞ 開放の時、光源から放射状にシャワーのようなゴーストが出るのが特徴的というか、古いレンズらしいというか。うまく絵に入れれば効果として使えそうなものではあります。絞り込んでいくと当然ゴースト・フレアの形も変わっていきますが、F8でフレアが一番密集して濃く見えてしまう傾向はちょっと残念。また、角度によっては光源に対して対角反対側に光の帯が入り込みます。これもまた残念。あまり面白いゴーストやフレアが見えるレンズではなさそうです。

 

 

◆玉ボケ描写◆

●チャートを中央に配置

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 ↓中央部拡大

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●チャートを左上に配置

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 ↓チャート部分拡大

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☞ヒトコト☞ 中央の玉ボケは口径食出ないはずなのになぜか下部が平らに削れています・・・なんだこれは・・・ボケの中身はフラットで綺麗。ただ、エッジが二重に見えるのが少し残念。また、四隅にボケをもっていくとコマ収差と非点収差がはっきり見えます。

 

 

◆色味◆

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          f:id:K_Taku:20170927235339p:plain

☞ヒトコト☞ マクベスカラーチャートを撮影。比較機はSEL2470Zとしました(まだSEL1224G発売前に撮ったのです。。すみません、撮り直し面倒くさいので勘弁してください。)。

各色についてCapture OneでRGB値を取得して、HSLに変換しました。青のバーがSEL2470Z、オレンジのバーがMir-47 20mm f/2.5です。

・色相ですが、light skinを除いて下記の傾向が見られます。
>色相180以上の色では、SEL2470ZよりMir-47 20mm f/2.5の方が大きい。
>色相180以下の色では、SEL2470ZよりMir-47 20mm f/2.5の方が小さい。

0と360が赤を示すことから、上記をまとめるとSEL2470ZよりMir-47 20mm f/2.5の方が赤い色に倒れている。」といえます。実写画像を見てれば分かりますね。

・彩度はMir-47 20mm f/2.5の方が大幅に高い形になっています。

・逆に明度はMir-47 20mm f/2.5の方が低い形になりました。
※当然ですが露出は合わせています。

 

 

 

◆作例◆

 

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☞ヒトコト☞ 手前の桟橋、よく見ると歪曲しています。歪曲を出して撮影したかったので。

 

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☞ヒトコト☞ これ、像面湾曲が見えませんか。開放(F2.5)で撮影しており、ピントを合わせているのは中央の木の柱です。当然背景はボケているのですが、周辺に行くほどボケ具合が小さく、解像していくように見えます。これってつまり、ピント面が奥側にグイっと湾曲していることを示していると思うのです。

 

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☞ヒトコト☞ 季節外れですが向日葵の写真。光条とゴーストを狙ったんですけど、絞りすぎましたね。もう少しゴースト出しても良かったかも。

 

 

◆まとめ◆
・Mir-47 20mm f/2.5
ロシアレンズ
・歪曲が見えるレンズ。ただ、制御補正に頼ることなくここまで歪曲を抑えているのはきっと見事。皆さんもお持ちのカメラの歪曲収差補正を切ってその辺のレンズで撮ってみてください。多分めっちゃ歪みますよ。
・開放では様々な収差が見られる。まるで収差のバーゲンセールだ
・あまり特徴的なフレアゴーストもなく、出番はそんなにないかも。。

 

以上です。あと2本レンズ残っているのでおいおい書きます・・・

 

テスト内容等、何かコメントいただければ嬉しく思います。

それでは。

 

 

page. 5 ND1000と色味のはなし

K, Takuです。

先日フィルターを購入しました。
ND1000です。晴れ間で滝を流して撮りたかったのです。

www.kenko-tokina.co.jp

 

上記ND1000を使用して撮影したものがこちら。

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SONY ILCE-7S/SEL70200G/F8.0 3.2秒 ISO100

 

場所は西表島のマリユドゥの滝です。梅雨入りしていたにも関わらずカンカン照りの一日でしたが、ND1000の力で滝を流して撮影することに成功!

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見てくださいこの通り。長秒なので葉っぱはブレていますが、滝の筋は綺麗に出ています。岩肌の質感も問題なく再現。特に下から2段目の滝は描写の美しさが如実に出ていると思います。

 

ところで、画角確認のためにND無しで撮影した写真がこちら。

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SONY ILCE-7S/SEL70200G/F8.0 1/125秒 ISO100


おや?と思われたことでしょう。そう、色味が違うのです。並べてみれば一目瞭然。
左がND1000無しで、右がND1000ありです。

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ND1000を使用した方が赤く倒れていることがわかると思います。目視に近いのはもちろんND1000無しの方です。これはフィルターが何かWBに悪さをしていると考えるべき。

 

ということで、少し調査してみました。

■ボディ→SONY ILCE-7S
■レンズ→SONY SEL70200G
■画角→200mm固定
■被写体→マクベスカラーチャート
■光源→蛍光灯(昼光色;スペクトルは測定してません)
■ホワイトバランス→フィルター無しの状態で18%グレーからカスタムホワバラで取得。6200K。
■条件→ND1000あり/なし

 

上記設定で撮影したチャートが下記の通り。

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目視しただけで色味の違いが分かりますね。。やっぱりフィルターが色を変えてくれちゃっているみたいです。何色がどう違うのかを知りたいので、Gimpを用いてチャートの下2段にあるGlue, Green, Red, Yellow, Magenta, Cyan, White, 18%gray, Blackの9色からそれぞれRGB値を取得し、グラフ化して比較しました。

 

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青い棒がフィルター無しをオレンジの棒がフィルターありを示します。
R, G, Bそれぞれ眺めてみます。Bは青とオレンジがほぼ肩を並べているのでフィルターによる影響なしと考えましょう。Gは若干オレンジが下がっています。Rはさらにその傾向が顕著です。
光源のスペクトルを測定していないので断言はできませんが、波長が長いほどフィルターで反射・吸収されてしまっていて色が落ちてしまっているのかもしれません。
なので、オートホワバラで合わせようとすると赤みが足りていないと判断されて赤側に色を倒してしまうといったところでしょうか。

 

ND1000程の減光量ともなると色への影響なくして実現はできないのかもしれませんね。濃度の大きいNDはそもそもカラーフィルター的な要素も持ってしまうことを認識しながら使用した方が良さそうです。カラーチャートなんてなくてもグレーを撮影すれば何となく色味の変わり方は分かりますし、実写に向かう前に家で確認しておくと良いかも。
とはいえ、色は現像でなんとでもできますから(暴論)、それよりも真昼間の強い日差しの中でも長秒露光できることの価値のほうが大きいです。滝を撮影される方にはおすすめの一品です!

 

 

それでは。

 

 

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最後に:やりすぎた加工の例。

page. 4 フルサイズ v.s. APS-C

K, Takuです。

 

センサーサイズの話をば。

一眼レフ然り、ミラーレス一眼然り、いわゆる「一眼カメラ」と呼ばれるカメラにおいてはセンサーの大きさが重要なスペックの一つとして語られます。最近ではコンデジでもハイエンドなものでは大きなサイズのセンサーを搭載したものが増えています。かつては「画素数戦争」の時代もありましたが、今ではセンサーサイズ戦争?のような状態に近いかもしれません。

 

さて、特にレンズ交換式の一眼カメラでは、「フォーサーズ」や「APS-C」、「フルサイズ」などが有名どころですね。一般的には「フルサイズが最強!その他は下位互換!」などと叫ばれている印象が強いのですが、「本当にそうなのか?センサーが大きいことがすなわち正義なのか?」という懐疑があります。この記事では特に代表的なフルサイズとAPS-Cを対比し、APS-Cに味方する形で、センサーサイズが小さいことによる長所を書いてみたいと思います。

 

※当記事では、フルサイズを24mm×36mm, APS-Cを15.6mm×23.5mmとして計算します。特にAPS-Cは各社各時代によって多種多様なサイズがありますが、取り急ぎその値で。

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Fig. 0 フルサイズとAPS-Cのスケール 

 

 

1. APS-Cの方が遠くを撮れる

いろいろと語弊のある見出しであること重々承知ですが、35mm換算で1.5倍するアレの事です。
原理としては、センサーサイズが小さい方が画角が狭くなることに起因します。

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Fig. 1 フルサイズとAPS-Cの画角の関係。同じ焦点距離のレンズを使用したとき、APS-Cのほうが画角が狭くなる:θ1>θ2 

 

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Fig. 2 フルサイズとAPS-Cにおける焦点距離と画角の関係。Fig.1-1で図示した通り、ある決まった焦点距離のレンズを使った時に大きな画角を取るのはフルサイズである。例えば、焦点距離10mmのレンズを使用した場合、フルサイズの画角は約130°である(赤い点)。一方で、同じ焦点距離10mmのレンズをAPS-Cで使用した場合の画角はといえば、約110°となる。それでは、約110°の画角をフルサイズ機によって実現しようとした場合、何mmのレンズが必要なのかといえば、赤い矢印をたどっていくとわかる通り、15mmであることがわかる。つまり、焦点距離10mmのレンズをAPS-Cサイズのボディで使用すると、見かけ上15mmの画角が得られる、ということになる。すなわち、35mm換算で1.5倍、という話が浮き彫りになってくる。(なんかもっと分かりやすくて的確なアプローチがある気がして仕方ありません。)

 

ということで、APS-C機を使用することでレンズの焦点距離を1.5倍にして使用できることがわかりました。ではそれの何が良いのかといえば、とにかく機材が安く済むという点があります。ただでさえ馬鹿みたいに高い交換レンズ、超望遠の領域ともなると、ちょっといいレンズを買おうとすると20万円、30万円は当たり前。100万円オーバーも平気で出てくる世界です。 

 例えばキヤノン単焦点レンズ。600mm/F4は137万円します。

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キヤノン:EF600mm F4L IS II USM|概要

 

APS-Cサイズで使用することを前提として600mmの画角を得るためには400mmで良いわけですから、なんと90万円で済みます!

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キヤノン:EF400mm F4 DO IS II USM 概要

 

40万円以上の節約になりますね!ハイエンドボディが一つ買えます。
価格だけでなく、レンズの大きさや重量についても小さく抑えられます。
以上のように、「同等の画角を得る」という観点だけで考えた場合、APS-Cの方が様々な意味で軽くて済むわけですね。

 

 

2. APS-Cの方がパンフォーカスを作りやすい

Fig. 2 を再度見てみます。

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グラフからわかる通り、同じ画角を得るために必要な焦点距離は、APS-Cの方が短いことがわかります。例えば、80°の画角で撮影したいと思った場合、フルサイズなら約25mmが、APS-Cなら約17mmが対応することになります。さて、経験上ご存じの通り、同じF値、同じ撮影距離の時には焦点距離が短い方がボケ量が少なくなります。すなわち、同じ画角で撮影したときにそもそもレンズの性質からしてすぐにパンフォーカスに到達できるのは、APS-Cのボディを使った場合になるわけです。
ということで、風景写真は広角レンズでパンフォーカス!という撮り方をする際にも、必ずしもフルサイズがベストと断言することはできないと思っています。

 

 

3. APS-Cの方がレンズのおいしい部分を使える

FIg. 1を見ていただければわかる通り、APS-Cサイズでの撮影というのは、フルサイズの中央部分をクロップして撮影していることとほとんど同義です。
レンズは多くの場合中央部分の描写が良く、周辺にいくに従って解像が下がったり収差が出てきたりします。すなわち、フルサイズ用に設計されたレンズをAPS-C機で使用することにより、レンズ中央部のおいしい部分だけを使用することができます。

 

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Fig.3 SEL85F18とSEL85F14GMのMTF. SEL85F18のMTFは、橙色の線がF8を示す。SEL85F14GMはF8でのMTFを示す。

SEL85F18 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

SEL85F14GM | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

例としてソニーEmountレンズを挙げます。SEL85F18は最近発売されたポートレート用無印レンズ。値段は約7万円。一方SEL85F14GMは、かのGマスターレンズ。値段は約22万円。約3倍の差がありますね。MTFを見てみても差がわかります。さて、もちろん両方ともフルサイズ用のレンズなわけでありますが、ここで仮にSEL85F18をAPS-Cで使用したとして、その場合のMTFが見かけ上どのようになるか、グラフをいじくってみました。

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Fig.4 SEL85F18の横軸をAPS-Cサイズに合うように加工。(レンジを0-21mmから0-17mmに変更)

フルサイズで使用した場合に像高21mmでは約70%までコントラストが落ちていたSEL85F18でしたが、APS-Cサイズでの使用を前提とすると、像高17mm付近でも80%を下らず、85F14GMと似た形状に収まっているのがわかります。レンズの「おいしい部分」を使えていることがわかりますね。

※もちろん、MTFだけですべてを語れるわけではありません。ましてやGマスターレンズ、ボケ具合や色味はもちろん、その他諸々レンズのあらゆる特性を最高に磨き上げたレンズですから、「APS-C機なら85F18を使えばGマスターレンズ相当のものが手に入るんだ!」と言う気は毛頭ありません。あくまで、フルサイズレンズをAPS-C機で使うと中央部の描写がいい部分を使用できる!ということを表現するために例として挙げました。

 

4. APS-C機は実はかなりの高画素

さて、上記に挙げてきた3つのAPS-Cの利点、よく考えてみればすべて「フルサイズで撮影してからクロップすれば実現できること」だと思いませんか。その通りです。その通りなのですが、クロップすると事実上の画素数が落ちることを考慮に入れて考えないといけません。

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Fig. 0 フルサイズとAPS-Cのスケール(再掲)

相似比が24:15.6=20:13なので、面積比は400:169です。つまり、フルサイズで撮影した写真からAPS-Cをクロップすると画素数は169/400まで落ちることになります。裏を返せば、ある画素数APS-C機で撮影した写真は、400/169倍した画素数をもつフルサイズ機で撮影した写真からクロップすることと同義です。

例えば、α6500の有効画素数は2420万ですが、この画素数をフルサイズのクロップからで実現しようとすると、5700万画素必要なことになります。α7RM2ですら4240万画素ですから、それでも足りないことになるわけですね。つまり、これまで挙げてきたAPS-Cの利点に対して、「フルサイズからクロップすればいい」の一言で片づけるのは早計であることがわかります。

α6500 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

 

 

 

以上のことから、フルサイズはAPS-Cの完全上位互換ではない、ということを主張します。APS-CAPS-Cで、そのサイズでないと撮れない写真もあるわけです。決してフルサイズの廉価版という側面だけではないのです。同様に、フォーサーズに対しても同様のことが言えます。

結局、自分がどんな写真を撮りたいか、そのためにどんな機材が最適かを逐次考えて、良いコンディションで撮影に臨むことが重要なのではないでしょうか。

かつて画素数戦争の時代には画素数の多いことが正義で、それだけをアピールして製品を売っている時代がありましたが、今となっては高画素であることが必ずしもいいことだけではないことは常識となっています。同様に、センサーサイズも大きければ良いという訳ではないということが浸透する日がそのうち来ると思っています。

 

ちなみに、今回挙げた1~4のAPS-Cの利点、特に1, 2, 4については、言い方を変えればすぐにフルサイズの利点に対する言及に様変わりします。カメラの性能はあらゆる面でバーターとなるものが多いです。そのあたりを踏まえてもやはり、それぞれ撮りたい写真に対してどういった機能性能でアプローチしていくかを考えて機材選びする必要があると思います。

 

 

それでは。

 

 

 

page. 3 焦点距離と画角の話

K, Takuです。

 

レンズの焦点距離の捉えられ方は色々ありますね。
望遠では遠くのものを大きく映せる、広角では広い場所をパースを利かせて映せる、50mmは人の見た感じによく似ている、などなど、様々な語られ方をします。

f:id:K_Taku:20170320201946j:plainf:id:K_Taku:20170320202044j:plain            焦点距離 600mm            焦点距離 50mm

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             焦点距離 10mm


その中の一つに、画角を焦点距離の関数として捉える見方があります。実際、焦点距離が短いほど画角は広く、長いほど画角は狭くなる、というのは周知の事実ですが、実際に定量的にどういった関係なのかはあまり気にされていない様に思います。

忘備録として、簡単に思考を整理してみます。


ある被写体が撮像素子上でピントが合っている状態はよく下図のように模式されます。

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焦点距離と画角との関係性を出したいので、次のように整理。
・センサーの大きさをx
焦点距離をf
・画角をθf:id:K_Taku:20170320203224p:plain

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上図より下記のような式に落とし込めるので、

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整理して次式。

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というわけで初めの図に立ち返ると、画角と焦点距離は次のような関係であることが分かります。

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一般式だけ眺めていてもよく分からないので、試しにフルサイズのセンサーを仮定して実際に焦点距離が変化すると画角がどういう挙動を示すのか見てみます。

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フルサイズセンサーのスケールは上図の通りなので、最も大きい対角長さ "43.27mm"を採用してグラフ化します。

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 1mmから1000mmまでの焦点距離と対応する画角です。レンジが広いので片対数グラフにしています。
上グラフから、焦点距離に対する画角がざっくりと読み取れます。
・10mm ⇒ 約130°
・30mm ⇒ 約70°
・50mm ⇒ 約46°
・100mm ⇒ 約25°
・600mm ⇒ 約4°

すぐに分かるように、100mmまでは急峻に画角が狭くなっていきます。言い方を変えると、広角側では1mmの変化がもたらす画角への影響度が大きく、望遠側ではその影響度が小さい、という事が定量的に分かります。ズームレンズを使っていれば直感的に分かる事ですが、数字にしてみると思った以上に強烈な変わりざまで、少々びっくりしました。


さて、大三元とか小三元とか、3本で1セットみたいなズームレンズ群がありますが、それらの画角がどんな分布なのか見てみます。

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・16-35mm ⇒ 107°-63° (Δ44°)
・24-70mm ⇒ 84°-34° (Δ49°)
・70-200mm ⇒ 34°-12° (Δ22°)

16-35mmと24-70mmは画角の幅が近いですが、70-200mmはそれらと比べると約半分ほどになっています。これらの焦点距離でズームレンズを作る文化がいつからなのかにも興味がありますが、少なくとも画角の幅を均一にするように作られているわけではないんですね。

 


さて、先日VoigtländerからSONY Eマウント用の広角レンズが発売されました。
http://www.cosina.co.jp/seihin/voigtlander/e-mount/index.html

HELIAR-HYPER WIDE 10mm F5.6 Aspherical
ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III
SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical III
上記の10mm, 12mm, 15mmの3本です。

こんな小刻みの焦点距離単焦点を出して意味あるのか?と思わないでもないですが、それぞれ画角の観点で考えてみると、
10mm ⇒ 130°
12mm ⇒ 122°
15mm ⇒ 110°
となっており、約10°ずつの差があります。
この差を標準領域以上の焦点距離で考えてみると、例えば次のような組み合わせになります。
55mm ⇒ 43°
75mm ⇒ 32°
110mm ⇒ 22°
このように、広角側では焦点距離2mm,3mmの差が、標準以上の領域では20mm, 30mmの差と同等の画角の違いとして現れてきます。「20mm以下は1mmずつ単焦点が欲しい」なんて意見も聞きますが、超広角の領域では1mmの違いが大きいので納得の主張です。

 

広角側の別のネタとしては、超広角ズームとして散見される12-24mmという定番(?)レンズがありますが、キヤノンだけは一歩先を行っていて11-24mmを出しています。ワイド端が1mmだけ短いですね。この1mmにどれだけの意味があるのか、画角の観点から見るとその凄さが分かります。
12mm ⇒ 122°
11mm ⇒ 126°
なので、その差は4°です。
この4°、別の領域で考えると次の組み合わせになります。
600mm ⇒ 4°
300mm ⇒ 8°
こちらも差は4°です。
すなわち、焦点距離2mmと11mmの差は、画角という観点からすると、600mmと300mmの違いと同等なわけです。※ただし、この2つの 「4°」がヒトが知覚する上で同等のものかはわかりません。Weber–Fechnerの法則を考慮すると後者の4°の方が気づきやすい差分な感じがしますが、、これは別途調査ですね。

 

 

とりあえず、今回は以上にします。画角と焦点距離、考えると色々ネタが掘り起こせそうです。また思いついたら追記等したいと思います。この話は像倍率との話とからめて考える必要がある部分もあると思いますので、それもそのうち。

それでは。

 


page. 2 【レンズレビュー】Komura 135mm F3.5

K, Takuです。

先月開催されたCP+2017、参加させていただきました。
去年の参加では時間の都合上どうしても行けなかった「CP+中古カメラフェア」に、今年こそはと顔を出し、色々と物色していたところ、一本気になるレンズが。

それが今回レビューします、Komura 135mm F3.5 です。
オールドレンズらしいコテコテした外観のレンズがB級品の棚に置いてあり、「1,500円」の値札が貼ってあったので迷わず購入。人生初のオールドレンズはこれになりました。
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というわけで、購入したからには素性の調査をば。
※なお、内部のクリーニング等は個人として一切行っていませんし、そもそもB級品です。当記事で行ったテストは、このレンズ個体固有の特徴を調べる目的で行っています。同一名称のレンズすべてに当てはまる内容とは限りませんのでご注意願います。


◆ステータス◆

Komura 135 mm F3.5
【メーカー】三協光機
【レンズ区分】単焦点
焦点距離】135 mm
F値】3.5-22
【絞り羽枚数】16枚

☞ヒトコト☞ 絞り羽枚数が凄い!レンズ内部を覗きながら絞りを動かしたときに16枚の羽根が同時にワシャッと動く様子が面白く、買う理由のポイントになりました。


◆外観◆
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◆チャート撮影◆

 

 

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☞ヒトコト☞ 開放はボヤっと眠たい感じ。F5.6-F8で一番パリッと引き締まる印象がある。コントラストも高いように見られる。F11からフレアっぽさが出てきてヌケが悪くなり、F16以降は小絞りボケの影響か、再び眠たくなる様子。比較として以前撮影したCanonレンズのを載せましたが、撮ってるボディも違うしあんまり参考にはならないかも。


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☞ヒトコト☞ 開放では流れが激しい。非点収差?F8まではかなり目立つが、F11以降は落ち着く様子。ただし倍率色収差が出ているのでこれは諦めるしかない。味ですよ、味。

 

◆周辺光量チェック◆

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☞ヒトコト☞ 当然ながら開放では周辺が相当落ちます。F5.6-F8でかなりなだらかになるものの、F11以上に絞り込むとまた中央付近が明るく浮き上がってきます。これはこのレンズの特徴かなあという感じ。


◆逆光性能◆

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☞ヒトコト☞ フレアやゴーストは当然出るとして、それを楽しみにオールドレンズを買うところがあるのですが、このレンズで強烈なのは「絞り羽枚の模様が出る」ところですね。遊び心でも作品内に取り入れるのは難しそうな模様が入り込むので、逆光状態での絞り込んだ撮影は気を付けたいです。一方で、最後の一枚のような虹色の帯のフレアはまさに古いレンズ!という感じがして好みです。うまく使ってやりたくなります。

 

◆色味◆

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☞ヒトコト☞ マクベスカラーチャートを撮影。比較機は優等生レンズZeiss Batis 2/25としました。焦点距離が全然違うので比較として正しいのかと言われると返答に窮しますが、、今後改善していきます。
各色についてCapture OneでRGB値を取得して、HSLに変換しました。青のバーがZeiss Batis 2/25、オレンジのバーがKomura 135mm f3.5です。
・色相についてはどの色もほぼ差がありません。「何色に倒れている」というようなタイプの描写の違いはなさそうです。※本来はLab空間で比較すべきです。D65光源を持っていないので、今後改善していきたいです。
・彩度は大幅に低下しているのが分かります。絵を見ても明らかですね。
・輝度ですが、約95を中心として、それより高い色ではKomura<Zeiss, それより低い色ではKomura>Zeissという結果になりました。Komuraは輝度が95付近に向かって集中していることになりますので、Zeissよりもコントラストが低い、と考えられます。まぁ、絵を見ればわかりますね。

 

◆作例◆

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☞ヒトコト☞ 彩度、コントラストともに低いレンズなので、くすんだ絵が撮れます。一枚目の背景の黄色、もっと鮮やかだったんですけれども、上記のような結果になりました。ただ、空の青色もほんのりと出すことは出来ていて、加工次第でもっと見られる絵にはなるかなと思いたいところ。

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☞ヒトコト☞ コントラストの低さを利用してふわっとした絵にも出来そうです。

 

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☞ヒトコト☞ フレアを利用してみた例。古いレンズを使うからにはこういうのを撮ってみたかった!

 

◆まとめ◆
・Komura 135 mm F3.5
・B級中古品。
・虹色フレアが出る。絞ると羽根の模様も出る。
・中心の解像はそんなに悪くない印象。全然使えないレベルではない。
・コントラストが低いので良く言えばふわっと、悪く言えばもやっとした写真が撮れる。

 

 

以上です。
これ以外にもPentaxのtakumarレンズを2本購入していて、そちらの素性もこれからいろいろ調査しようとしています。

テスト内容等、何かコメントいただければ嬉しく思います。
それでは。

 

 

 

 







 

page. 1 まえがき

はじめましての方ははじめまして。そうでない方もはじめまして。

K, Takuです。

ブログを新設しました。

写真やカメラに関して、覚え書き程度に整理していくつもりです。

よろしくお願いします。

 

◆2017年3月19日現在、使用機材は下記の通りです。

【ボディ】
SONY ILCE-7S
Canon EOS 6D

【交換レンズ】
ZEISS Batis 2/25
Voigtländer HELIAR-HYPER WIDE 10mm F5.6 Aspherical
Lensbaby Trio 28
Komura 135mm F3.5
pentax takumar 55mm f1.8
pentax takumar 28mm f3.5

Canon EF50mm F1.8 STM
Canon EF17-40mm F4L USM
Canon EF70-300mm F4-5.6L IS USM

Sigma Contemporary 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
Sigma MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM
Sigma15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE